恵子ちゃんの家が近づいたので、彼女に道を聞きながら車を進める。
なんとなく田んぼの真ん中みたいな真っ暗な場所で車を止めるように指示され、言われるがままそこに車を止める。
ヘッドライトを消すと、これでもか!言うぐらい真っ暗…
まさか…
コワいお兄ちゃんが近くに潜んでて…
『コラにーちゃん!オレの女に手ぇだしたんちゃうやろなぁ?』
とか出てきて、お金と車盗られて捨てられる
σ( ̄∇ ̄;)わて?
私:『家…このへん…?』
恵子:『すぐこの先…』
恵子:『なぁいっちゃん…相談あんねん…』
恵子:『お金…貸してくれへんやろかぁ…?』
私:『σ( ̄∇ ̄;)?どないしたん?財布忘れてきたとか?』
恵子:『借金…返されへんねん…』
私:『借金て……なんぼいるん?』
恵子:『明日25万入金せなヤバいねん…』
はぁ( ̄□ ̄;)!!?
私:『なんの金なん?』
恵子:『買い物しすぎて…キャッシングして…返されへんからまた借りて…気がついたらめっちゃすごい額なってて…』
私:『えっ?それって言うたら悪いけど自分一人で作った借金やろ?』
恵子:『そやねんけど…』
ここはいくらええ人いっちも、そんなお金も無く、まして、本人の為にならへんので
『悪いけど、貸せるお金は無いわ~』
恵子:『……そうやんなぁ~』
少し涙ぐみながら彼女は頷き、納得した。
ように見えた。
その日は、その先にある彼女の家の近くまで送って行った。
どうやら住宅街に遠回りして田んぼの中を通ったらしい事が、そこまで行って分かった。
そこから連絡も途絶え、彼女の職場に仕事に行く事も無かった。
その職場にいるお兄ちゃん2人と、先日焼き鳥に行く事になり、待ち合わせ。
生中で乾杯し、世間話や、今年の阪神どないやねん!的話しで盛り上がる。
もちろん優勝と言う結論で一致(お約束(笑))し、彼らと焼き鳥屋さんを出た。
たかちゃんが
『いっちさん!スナックどないです?』
あまりスナックが好きでは無いが、ここは取引先のお兄ちゃんのお誘いなので、すんなり同行。
たか『うちの職場の恵子ちゃん知ってはるでしょ?』
『そのこバイトしてる店あるんですよ~秘密やけど(笑)』
恵子ちゃん…
( ̄□ ̄;)!!
そうやったんや…
店に着くと、小さなボックスへ通された。
ママさんが『いずみちゃ~ん!かっちゃん来はったよ~』
店の奥から『はぁ~い♪』
片手にグラスを持って、派手な服装で現れたいずみちゃん。
彼女は、間違いなく『恵子ちゃん』やった。
恵子:『あらぁ~いっちゃんも一緒やったんや~久しぶり~♪』
複雑な気持ちながらも、彼女はこの道を選んで、借金返済をする事にしたんや…
すぐにそう理解した。
彼らの目的は、恵子ちゃんやなくて、ここのスナックのNo.1らしき女性。
その娘を間に座らせ、しゃべり込む。
恵子ちゃんは私の隣に座り、借金返済できた事、色々苦労した話しを聞かせてくれた。
そんな恵子ちゃん、もはや昼間の本職はバイト感覚で、夜の仕事がメインらしく、結構田舎町に住んでいた彼女も、今は繁華街の近くで、ワンルームマンション暮らしらしい。
恵子:『いっちゃん、この前、変なお願いしてゴメンなぁ~私、11時半までやから、後でうちけぇーへん?』(うちけぇーへん?=関西弁で、うちこない?)
つづく